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雲の中で散歩

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Love story 追記
七夕の夜




七夕か ・・・
七夕なんて、考えたことなかったけど、君があんまり嬉しそうに話すから ・・。
いつもよりも空を見上げちまう。

―――


隼人と京子は、夕暮れの公園をただ歩いていた。
辺りは夕闇に包まれ、カナカナと虫の声が響いている。

「空、曇ってるねー。
星が見えたらよかったなあ。」

「ん? ああー、梅雨の時季だしな。
あっでも、雲を抜けて、上空は当たり前だけど常に晴れてるんだぜ。」

「ふふ。そうか、そうだよね♪
獄寺くんのそういう考え方、すごく好きだな♪
毎年、織姫と彦星は、愛しい人に会えるね。・・」

柔らかく京子が笑いかける。
二人は同時に、空を見上げた。


「・・ 獄寺くんの願い事は?何?」

にこっと無邪気に微笑んで、京子は問いかけた。

「んっ んー!
健康で、長生き!かなっ」

「うん。そうかー♪ よかった ・・。」

これまで、隼人が自分自身を大事に思うことができなかったことを、京子は知っていた。
今、隼人がこう答えてくれたことが、とても嬉しかった。

本当によかった ・・・

「・・・ 笹川が、いてくれるからなんだぜ。
そう教えてくれたのは、笹川なんだ ・・。」

笹川と一緒に ・・・ 何処までも歩きたい。
楽しいことも、そうでないことも、君と一緒に。

笹川を守りたい。
やっと生きる意味が、わかり始めたんだ ・・。


真面目な彼女の雰囲気を肌に感じ、隼人もまた、真面目に向き合った。


「獄寺くん ・・。」

「だから、もっと、その、本当の願い事は ・・・」

透き通った隼人の瞳に、京子はすいこまれそうな感覚になる。


・・・ 願い事は ・・


「っ」

隼人が言いかけた瞬間、二人の目の前を一筋の光が踊った。

「蛍!」

嬉しそうに京子が声を上げる。

「きれい ――
あ! 見て、獄寺くん!
あっちにも!」

ゆらゆらと、しかし、しなやかに飛ぶ蛍を、二人は池まで追った。


「すごい ・・
きれいだね ・・・」

公園の中ほどには、小さな池が静かに水をたたえていた。
水辺に集まる蛍達が、暗闇に踊っている。

「ほんとだ ・・。」


二人はしばらく息をのんで、幻想的に舞う、蛍達に見入った。


不意に、京子は手に隼人の温度を感じた。
そして、そっと抱き寄せられる。


「京子 ・・・」

強く、隼人は彼女を抱き締めた。


獄寺くん ・・ 名前で呼んでくれた ・・・


二人は見つめ合うと、隼人は京子の額にキスをした。


願いは、ただひとつ ――

君と、ずっと一緒にいたい。
この手の温もりを、ずっと感じていたい。


・・・



「帰ろう。
送るよ。」

隼人が、優しく手をひく。

並んで歩き始めた二人の姿を、蛍達は見送った。




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2007.07.06 02:22 | L-s | トラックバック(-) | コメント(-) |
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