FC2ブログ

雲の中で散歩

世界で一番の Live バンド Yellowcard の応援blogです! This is the Yellowcard fan blog. We love Yellowcard !!!!!

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
Love story 追記③






・・・ 獄寺くん、お弁当、喜んでくれるかな ・・ 大丈夫かなあっ ・・・ うーっ 心配っ

朝から、京子はずっと上の空で、そわそわし通しだった。
授業時間も長く感じられて、昼休みが待ちきれない。





「笹川!」

「獄寺くん ・・!」

「裏庭に行こうぜ。木陰になってる。」

「う、うんっ ・・!」

「持つよ。」

「あっ だっ大丈夫!!」

「ん? そか。」

「うんっ ありがとうっ」

胸がキュンとしちゃう。
うまく呼吸ができない ・・・


「そだ、黒川は平気か?」

「あっ うん!
花も彼と食べるって♪」

「そか! よかった♪」

「花に言っておくね、獄寺くんが心配してくれてたよ、て。」

しっかり甘えてこい!と、花に言われたことは、内緒にしておこう。
京子は温かい気持ちになり、何気ない、隼人の心遣いがとても嬉しかった。

「なっ いいーってっ」
隼人は、赤くなってうつむく。

「ふふ♪ あ、獄寺くんは大丈夫?
ツナくんと山本くん、平気?いつもお昼一緒だよね?」

「あっ おうっ」
10代目は気を遣ってくれている。
けれど気まずさはない、変わらずに接してくれている。

隼人は真剣なまなざしをした。


「よかった ・・・」

静かに京子は頷くと、隼人と見つめ合う。

昼休みのざわめきを通り抜けて、二人は裏庭へと向かった。
―――





木漏れ日が降り注ぐ、柔らかな芝生の上に並んで座る。
昨日に引き続いて、空はきれいに晴れていた。
時折、そよ風が吹いて心地よい。


「はいっ 
ど、どうかなあ?おいしいと良いのだけど ・・・
お茶もあるんだよ♪」

「んっ ほんとにサンキューな♪
おおっうまそうー!!」

隼人は、ぱかっとふたを開け、瞳を輝かせる。
お弁当は、色とりどりにきれいにつめられていた。


「・・ っ 獄寺くんっどうしたの!!? どっか痛い!?」

次の瞬間、京子はびっくりして、水筒のお茶を注いでいた手を止めた。

「へ? えっっ あれっ」

隼人の目が、いつの間にか涙目になっていたのだ。

ひーっ みっともないっ オレっ

「うわっ ご、ごめん!!
な、何か自分でもわからないっうちにっ
ははっ情けな ・・・」

「・・・」

慌てて涙を拭う、隼人の横顔を見つめ、京子は次の言葉をじっと待った。

「・・・ ははっ ほんとごめん。
オレ、弁当を作ってもらったことって、一度もなくてさ。
その、あったかくされることに、慣れてねーっつうか ・・・・」

隼人は、半分明るい口調で話す。

「・・ でも、それはオレ自身が拒絶してきたのもあって ・・・
よく考えてみれば、昔からアネキも心配してくれてたんだよな ・・・・
まあ、アネキは、あんな、はちゃめちゃだからいんだけどさ♪
よく見ようとしなかったんだ。
誰かを信じることが、怖かったんだと思う ・・・

あっ オレ、ものすごく嬉しいんだって、ちゃんと伝わってる?
くそ、ほんとに、めちゃくちゃ嬉しくて、どう伝えたらいいか ・・・」

隼人は、まっすぐに京子を見つめた。

「ちゃんとっ、ちゃんと届いてるよ ・・!
大丈夫、ありがと ・・・」

頬を染めて、今度は京子が涙目になりながら、うつむいた。
隼人はそんな彼女を見つめ、愛しくて仕方なかった。

「笹川だから、こんなに嬉しいんだぜ。
笹川だからだ。」

「・・・ うんっ 獄寺くん ・・・・」


溢れる想いのすべてを、どうしたら君に伝えられるのだろう。
もどかしい想いがこみあげてくる。

こんなに、君が好きなんだ ・・・・



「・・・・ いただきます♪」

隼人は、元気いっぱいに食べ始めた。
そんな彼の優しさが、京子の胸に染みる。
不意に、京子は話しだした。

「獄寺くん ・・・・
獄寺くんが、今まで見てきたことや、もがいてきた日々は、絶対に無駄なんかじゃないよ ・・・・
うん、無駄になんて、なってない。
ビアンキさんもちゃんとわかってくれてる、て、そう思う。
大丈夫。」

「・・・ 笹川。」

にこっと、京子は微笑む。

「・・・ はい、お茶も飲んでね♪」

「・・ サンキューなっ
幸せの味がするっ」
卵焼きを頬張りながら、隼人はこう言うと、潤んだ瞳と照れているのを隠すように、続けてご飯をかきこんだ。

「ふふ♪ 私も頂きます♪」


柔らかな時間が流れる。
風の中に、夏草と、甘い花の匂いがしていた。





関連記事
2007.07.02 22:11 | L-s | トラックバック(-) | コメント(-) |
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。