雲の中で散歩

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Love story 追記②




ジリリリリリリリリッ


目覚まし時計が、けたたましく時を告げている。

た、大変っ!!
もうこんな時間!!!

朝方、うとうとした京子は、すっかり寝過ごしてしまっていた。

何回、目覚まし鳴ってたんだろう。
本当はもっと早く起きたかったのに、私のバカっ

慌ただしく出掛ける準備を整えながら、昨日のことが思い出される。


うん、夢じゃない。
夢じゃないんだ。

―――



外は、眩いばかりの快晴だった。
まだ梅雨の季節だったが、晴れてくれてよかった、と、京子は感謝した。



「行ってきます!」

元気よく自宅を出て、待ち合わせの場所へと向かう。
時間にはよゆうがあったが、はやる気持ちに急かされて自然に駆け足になる。

何もかもが新しく、美しく見える。
旬の紫陽花も、道端の花達も、みずみずしく、活き活きとしているみたい。
新しい世界。


京子の心にはただ一人、隼人の姿がうかんでいた。

早く、会いたい。





「はあっ
獄寺くん、もう来てるかな ・・・
あっ」

太陽の光のもと、隼人の横顔が見えた。

いつものように空を見上げて、遠くを見つめるように隼人は木によりかかって待っている。

愛しい、彼の姿。・・



「獄寺くんっ!
ごめんっ いっぱい待たせちゃった?」

「笹川!
いやっ まだ時間前だし!
走ってきたのか? わるい!」

「ううんっ わるくないよ!
走りたかったんだ♪」

息を調えながら、京子はにっこり笑った。
その笑顔に、一時隼人は見とれた。

「・・ そか、よかった。
あっ オレ、早く着き過ぎちまったから、気にすんなよ。
あ、会いたかったんだ、早く ・・・」

まっすぐに、隼人は京子の目を見つめた。

今度は京子の見とれる番だった。


「な、何か照れるなっ」

「う、うんっ ・・・」

「行こう。」
隼人が優しく話しかける。

「うんっ」



紫陽花に彩られた通りを、二人は歩き出した。
――






映画を見た後に、隼人の行き付けの小さな喫茶店でお昼を食べ、二人は公園を歩いていた。
きらきらと、木漏れ日がゆれている。

「おいしかったねー♪
映画もすごくよかった♪
風が気持ちいいねー!」

喜びで溢れ、京子はふわふわとした心持ちだった。
両手を広げ、伸びをしながら歩く。


胸がいっぱいになる。
少し前を歩く、京子の背中を見ながら、隼人の心もまた喜びで溢れていた。


「・・ 笹川、何かほしいもの、教えて。
夕飯の礼がしたいんだ。」

「えっ いいんだよー! 気にしないで♪
それに、獄寺くんからもうたくさんもらってる。」

「え ・・。」

「ありがとう。」

軽やかな足取りのまま振り向いて、柔らかく微笑み、京子は隼人と向き合った。

「・・ オレの方こそ ・・・」


二人は沈黙した。
ただ、初夏の風に踊る、木の葉の音だけが聞こえる。

「でも、やっぱり、礼がしたいんだ。
何か、言って ・・。」

隼人のすいこまれそうな澄んだ瞳には勝てず、京子は観念して答えた。

「そっか♪
んー、ええと、ええとね ・・・
んーー、
―――

そうだ! お弁当箱!!」

「へ?」

「ふふ♪ 決まりだね。
じゃあ、行こう♪」





「あっ これよさそうだね♪」

デパートの中の雑貨店で、京子は大きめのお弁当箱を選んでいる。

むー、何だ、芝生頭の弁当箱か。
・・・ まあ、いっか♪

楽しげな彼女の横顔が、隼人は嬉しかった。


「獄寺くん、どうかな?
このくらいで足りるかなあ?」

「ん? んー、芝生頭にはいんじゃねぇか。ライト級だしな!」

「あはは♪ お兄ちゃんにじゃないよ~。獄寺くんに。」

「へっ! なっ 何で!!?」

京子は微笑むと、少し緊張しながら言った。

「・・ あの、お弁当、よかったら作らせてほしいんだ ・・・
良いかな?」

「えっ も、もちろんっ!!」
思いもかけない提案に、隼人はあたふたとした。

「ははっ そ、、そうだったのか♪」

「うんっ!よかったあ。」

「あっ でも笹川が大変だろ。ほんとに良いのか ・・?」


「もちろん! 全然、大変なんかじゃないよ。作りたいんだ。・・」

「・・ サンキューなっ
めちゃ嬉しい!」

照れながらも、隼人はにかっと優しく笑いかけた。

「・・・」

そんな風に笑いかけてくれるから、いつもどうしたら良いのかわからなくなる。・・


「ん? どした? 笹川。」

「あっ うんっ
嬉しくてっ」

滲んだ涙を隠すように笑う。

「かしてみな。
買ってくる♪」








「・・ 本当に、どうもありがとう、獄寺くん。
すごく楽しかった!」

「ん ・・
楽しかったな!
ほんとに、サンキューな。」

「うん。・・・」


二人、一緒の時間はあっという間に駆けて行った。
京子の家の前まで、隼人は送ると、お互い何も言えなくなって、ただ目を伏せた。



「・・ 帰り道、気を付けてね。」
思いきって、京子が話しかける。

明日、学校で会えるのに。――
何で、何でだろう ・・・
涙が ・・・


「サンキュ ・・」

再び隼人と目が合う。
その瞳は、せつなく透き通っていた。


「 ――
今日は夏至だから、まだ少しだけ明る ・・・」

そう京子が言いかけている途中、ゆっくりと隼人の瞳が近付く。
髪に、指先が触れる。

二人は同時に目を閉じた。



静かに夜の闇がせまる、夕暮れの中、キスをした。


柔らかな銀色の光を放って、三日月が二人を見守っていた。






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2007.07.02 03:11 | L-s | トラックバック(-) | コメント(-) |
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