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雲の中で散歩

世界で一番の Live バンド Yellowcard の応援blogです! This is the Yellowcard fan blog. We love Yellowcard !!!!!

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Love story プラスです

時間としては、第9話と第10話をつなぐエピソードです




「京子」

「ん?なに?お兄ちゃん?」

「・・・ タコヘッドの力になってやるんだぞ。・・」

「!!!」

了平の思いがけない言葉に、京子は持っていたマグカップを危うく落としそうになった。

「・・ あいつは自分は優しいくせに、人との繋がりの中に、身をゆだねることに慣れてないんだ ・・」

はっとして、京子は兄の顔を見た。
了平はこちらには顔を向けずに、リビングにあるTVの画面をソファーに寝そべったまま、じっと見つめている。

「・・ お兄ちゃん ・・・
獄寺くんへの気持ち、気付いてたんだ ・・」

「当たり前だ!!
見てればわかる!」

了平はこう言うと同時に、妹の顔を見た。

照れた様子で、うつむきながら京子は微笑むと、兄の隣に座った。
小さい頃から、そうしてきたように、ずっと変わらずに。

「うん ・・・
私、なる。
獄寺くんの力になりたい ・・。」


TV画面は、何処か外国の、流れるような車窓の風景を映していた。
それは幼い二人が両親と一緒に行った、旅先の憧憬を思い起こさせた。

お兄ちゃんと私は、もう、大人になっていくしかないんだな ・・・
当たり前のことだけど、もうあの頃に戻ることはできない ・・。

ぼんやりと、そんなことが心に思いうかぶ。



「それで、今日から付き合うことになったのか?」

!! なっ なんでっ
なんで、わかるのっっ」

ぱっと兄の顔を見て、京子は頬を真っ赤にしている。

了平は、うずくまる妹の額を軽く指で付いた。

「ははっ 顔に描いてあるぞ、京子!
足取りも極限にうかれているぞ!」
了平はいたずらっぽい笑顔を向けた。

「!!!」

何も言い返すことができず、京子はただ、そのままTVに見入ったふりをした。

画面には眩しい青空が広がり、美しい田園風景が流れていた ――。






心がくすぐったい。
・・・

その晩、京子は寝つけなかった。
果たして、今日のことは、本当にあったことなのだろうか ・・・
もしかして、夢を見ている ・・?
夢なら、醒めないで ―――


獄寺くんに、またあんな風にキスしてもらいたい ・・・





がばっと、京子は夏掛け布団をたぐりよせた。
何、考えてるんだろっ 私っっ

隼人のまなざしが、心をときめきで溢れさせる。
彼の手の温度を、今も感じる。

明日、何て声掛けようかな ・・・
早く、獄寺くんに会いたい。―――


おもむろに起き出し、カーテンを少し開けると、京子は夜空を見つめた。
空いっぱいに、ちらちらと星が瞬いている。

「獄寺くん ・・・」








時を同じくして、隼人もまた、眠れず、星空を見上げていた。
真夜中の澄んだ空気が心地よい。
辺りはしんと静まり返っている。


二人はお互いの元へと、飛んで行けそうな気がしていた。
いや、実際に隼人と京子の心は、お互いの元に飛んで行っていたのだ ・・・

爽やかな夜風が、優しく二人を包む。
静かに夜は更けていった。







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2007.06.27 11:22 | L-s | トラックバック(-) | コメント(-) |
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