雲の中で散歩

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第10話





隼人と京子は、高三になっていた。

その日の学校からの帰り道、急に雨が降りだした。
9月の半を過ぎていたが、夕立だ。
ついさっきまでの晴天は、あっという間に消え去り、みるみる雨雲が広がっている。
大粒の雨が落ちてきた。

「強くなってきた!
走るぞ」

「うん!」

「いったん家で雨をしのごう。
ほら、手。
行こう。」

隼人は、京子の手をとって走りだした。




がちゃ

濡れた手で玄関のドアを開ける。

「ふーっ
ずぶ濡れにはならなくてすんだな。 まあ、びしょ濡れだけど!」
ニカッと笑って、隼人は言った。

「うんっ」
天真爛漫に、にっこりと京子は笑う。

「ん。上がってて。
今、タオル持ってくる。」

「ありがとう!」

間一髪、外は雷が鳴り出し、雨はどしゃ降りになっていた。



「はいっ」

隼人は、彼女にタオルをわたしながら、ふと、京子と目が合った。

「あ、ありがと」

雨に濡れて、隼人の整った顔立ちがさらに美しく感じられて、京子はドキッとした。

濡れた夏服から、獄寺くんの体の線が見える ・・・
獄寺くん、ほんとにきれいな男のコなんだなあ。
かっこいいな ―――

はっ
何、考えてるんだろっ私っっ
だめっ意識しちゃう ・・・
ドキドキが止まらない ・・。
胸が苦しい ―――


二人に沈黙が流れた。


まずい ・・
何かクラクラしてきた ―――
京子、、
髪から雨が滴ってて、かわいいな。 まつげからも ・・・


ピシャッッッ
ガラガラガラッッ



突然、耳をつんざくような音が、空気を切りさいて響きわたった。
次の瞬間、ふっと灯りが落ちた。

同時に、隼人は手を掴まれるのを感じた。
袖の辺りに、彼女の温もりを感じる ―――

「ごめん、
ちょっとびっくりしちゃって。」

静かに、京子は言った。

「あ、ああっ」

隼人は彼女の手を握った。
ぎゅっとした手から、互いの体温が伝わる。

ピシャッッ

雷は、ひっきりなしに鳴り続けている。

「たく、しょーがねーなあ!ランボのやつは!
ぶどうでも食べられなかったんで、泣いてんのかなっ」

「あはっ何でランボくんー!ランボくんは牛柄だよ~♪
あはは」
ふふ、と京子が笑った。

よかった ―――

「笑った、な!」
にっこりして、暗闇の中、隼人は京子に笑いかけた。

「獄寺くん ・・・」

心なしか潤んだ瞳で、京子は隼人の瞳を見た。



二人は見つめ合った。



ぎゅっ
更に強く、隼人は手を握った。

・・・








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2007.06.22 01:01 | L-s | トラックバック(-) | コメント(-) |
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