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雲の中で散歩

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第9話




「笹川!」

「獄寺くん!・・・」

「わるいな、、
呼び出しちゃって。」

「ううん!!」
京子は強く首を横にふった。


彼女の姿を見た瞬間、隼人は不覚にも涙が落ちそうになった。
本当は、今すぐに抱きしめたい。――




「笹川に、見せたいものがあってさ。」

二人は街が見渡せる、丘にある橋で待ち合わせをしていた。

「ほら、
もうすぐ。――」

隼人のまなざしの先には、淡くオレンジ色に輝く、桃色がかった夕陽があった。
今にも沈みそうなその夕陽は、辺りの雲を薄紫色に染め、空全体を彩っている。
二人の立つ橋の下を流れる川は、光を反射して、水面をキラキラと輝かせていた。

「きれい ・・・」


京子は透き通った瞳を更に輝かせ、夕陽に見入った。


「まるで、虹の架け橋にいるみたいだね ・・・
空を、こんなに近くに感じる。
ほら、夕陽が水平線に溶け入ってるみたい ・・。」

「 ああ ・・・
ここに連れてきたの、笹川だけなんだ。」
隼人は微笑んだ。

「獄寺くん ・・・」


例え、自分の想いに応えてもらえなかったとしても、隼人は、今、彼女と見ている夕陽の思い出だけで、一生、強く生きていけるような、そんな気がした。
生涯、今日の夕陽を忘れない。
この夕陽を一緒に見られただけでも、十分幸せだ。


「笹川、
・・・ オレ、
笹川のことが好きだ。」

隼人は穏やかな心持ちだった。
まっすぐに、京子を見つめる。

「獄寺くん、、
私、私も ・・・!!
獄寺くんのことが、好き。
大好き ・・・!
獄寺くんの役に立ちたい。
獄寺くんと、一緒にいたい ・・!」

「・・・
笹川 ・・。」

堪えきれず、京子の目からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。

隼人はすいよせられるように、彼女の頬の涙を優しく拭った。



隼人の髪が、京子の髪にかかる。
・・・


二人は、そっと口づけを交した。










どちらともなく、二人は手をつないで歩いた。

どんなことがあったとしても、この手を必ず守ってみせる。
ずっと守りたい。
決して放しはしない。

隼人は、強く心に誓った。







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2007.06.22 01:01 | L-s | トラックバック(-) | コメント(-) |
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