雲の中で散歩

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Love story




カラコロと、夏の夕闇に下駄の音が響く。

それは何処か懐かしく、わくわくする足音。
――


「はい、
手。」

隼人はぎこちなく、京子へと手を差し出した。

「あっ
ありがとうっ」

ふんわりと京子は彼の手をとった。

「ん!
歩きにくいだろっ」

きゅっと、彼女の手を握り返すと隼人は微笑んだ。


「浴衣、似合ってるよ ・・。」

「あっ
ありがとう ・・。」

一瞬、二人の目が合ったが、ぱっと同時にうつむいた。

淡い黄色の水玉模様の入った、しっとりとした紺の浴衣が、京子の可愛らしさをさらに引き立てていた。

高鳴る鼓動が言葉を飲み込ませ、うまく呼吸ができない。


ただ、黙って二人は歩いた。



―――



「あっ
見て、獄寺くん!
花火、始まったみたい!」

「あっ だなっ
急ごう!」


花火が開く時の、独特の音が辺りに広がり、夜空には色とりどりの花火が咲き始めていた。

今夜は、並盛町の花火大会だ。



「足、大丈夫か?」

「うん♪ 大丈夫♪」

「よかった ・・。

あんまり先客はいないな♪」


とめどなく花火が咲き、漆黒の空が眩しい。

隼人と京子は、街はずれの丘へと来ていた。
此処はあまり知られていない、花火がよく見える場所なのだ。





どのくらい時間がたったのだろう。

花火は一瞬の煌めきを咲かせ、こぼれ落ちていく。


「 ・・・
綺麗だね ・・。」

花火を見つめながら、京子は半分無意識のうちにささやいていた。

「 ・・・ ああ。」

空を見上げている京子の横顔を、隼人は見つめた。


「 ・・
此処で、初めて手をつないだね ・・・」

少し、せつなさをおびた瞳で、京子は穏やかに微笑みかける。


「 ・・ん。」

隼人は、彼女の瞳を見つめ返した。


どうして ・・・
こんなにせつない。
胸がつぶれそうになるんだ ・・

―――


強く、隼人はつないだままの手を握った。


ずっとこのままで、
ずっとずっと、君といたい ・・・



鮮やかに輝いて、花火は空を彩っている。

その光が二人の顔を照らし、包む。





隼人は京子を抱き寄せると、そっとキスをした。


夜空へと花開く、花火の音が、いつまでも二人の耳に残っていた。





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2007.08.20 23:22 | L-s | トラックバック(-) | コメント(-) |
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